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6.インプラントの失敗やトラブルはあるの?そうなったらどうなるの?

(1) インプラントが骨と結合しない場合
症状 インプラントはグラグラしてきます。
原因 骨の質の問題 骨質がスカスカで軟らかい骨では、安定が悪く骨と結合しないことがあります。
硬すぎる骨の場合は、血液の循環が悪いことが多く、骨結合しないことがあります。
  骨の量の問題 インプラントを埋入した部位に骨が少ないとインプラントとの接触面積が少なく安定しません。
対処法 骨移植など骨を作ってから、再度インプラントをすることができます。
(2) インプラント周囲に炎症を起こす場合
症状 インプラント周囲の歯肉に腫れや痛みがでます。
原因1 インプラント埋入時の発熱や感染によって炎症を起こす場合。
  (対処法) インプラントを除去し、炎症を抑える必要がありますが、落ち着いたら、再度インプラントを入れることができます。
原因2 正しい歯磨きができず、歯周病と同じように感染し炎症を起こす場合
  (対処法) 通常、適切な歯磨きを行うことにより改善することができますが、改善されず症状がすすんでしまう場合はインプラントを除去しなければならない場合もあります。
(3) 上顎洞に炎症を起こす場合
症状 上あごにインプラントを埋入した後、目の下~上あごに腫れと痛みがでます。
原因 上あごには上顎洞という空洞があり、インプラントを埋入する時その空洞に穴が開いたり、感染したりした場合に炎症を起こすことがあります。
特に上あごの骨が薄く、上顎洞との距離が少ない場合や、上顎洞の炎症(蓄膿や慢性副鼻腔炎)を起こしたことがある人に起こりやすいです。
対処法 抗生剤と抗炎症薬を服用することで炎症を抑えることができますが、炎症が消退しない場合はインプラントを除去し、炎症を抑えます。
術前の検査でチェックすることが可能で、骨が少ない場合には骨移植して上顎洞を挙上する(サイナスリフト)を行うことによって、インプラントをすることが可能です。
(4) 神経の損傷
症状 下あごにインプラントを埋入した後に唇やあごの皮膚の感覚が鈍くなったり、しびれがでたりします。
原因 下あごの骨の中には、神経が通っているため、インプラントを埋入する時、その神経を損傷するために起きます。直接、神経を損傷しなくても手術操作や術後の腫れにより神経が圧迫されるために、一時的にしびれがでることがあります。
対処法 一過性の場合は、数週間で回復しますが、数ヶ月~数年かかって回復することもあります。神経を賦活させるようなお薬を服用していただく場合もあります。
CT検査などで、神経の損傷が疑われた場合はインプラントを除去する必要があります。
術前の検査や設計で、神経との距離を計測し、インプラント体の長さをきめることでほとんどが回避することができます。
(5) 埋入したインプラントが使えない場合
原因 埋入した位置や方向の不良で、せっかく入れたインプラントが利用できなくなることがあります。
対処法 術前に十分な検査を行い、正確な設計を行うことで防ぐことができます。
(6) 一度骨と結合したインプラントの周囲の骨が吸収してくる場合
症状 痛みや動揺がなく自分では気がつかず、レントゲン検査で初めてわかることもあります。
原因 インプラントの咬み合せが悪かったり、歯ぎしりや噛みしめがあってインプラントに不適切な力がかかっている場合などに起こります。
対処法 十分な咬み合せの調整やメインテナンスでのチェックで回避することができます。咬み合せは一度調整すれば常に一定ではなく、変わってくることがあるので、メインテナンスでチェックすることが大切です。
夜間の歯ぎしりや噛みしめがある人はナイトガードを使用していただきます。
骨の結合なくなってしまい、回復しない場合はインプラントを除去しなければならない場合もあります。
(7) インプラントの破折やゆるみ
症状 かぶせた人工の歯がかけたり、ネジがゆるむとかぶせ物がはずれたり、動いたりすることがあります。
原因 かぶせ物がうまく合っていなかったり、ネジのゆるみ、咬み合せの調整の不十分などによって起こります。
対処法 ネジを締めなおしたり、かぶせ物を作り直します。
かぶせ物の製作過程を丁寧に行い、インプラントを熟知した技術のある技工士が作製し、十分な咬み合せの調整を行うことで防ぐことができます。

以上、主なものを記載しましたが、いずれの場合も術前の検査や診査を十分行い、慎重に設計することで、ほとんどが回避できます。
インプラントは歯科医師の診断能力と知識と技術(外科・咬み合せ・歯並び・審美・予防・歯周病など総合的な能力と技術が必要です)、歯科衛生士・技工士の知識と技術が結果に大きく係わっているので、きちんと説明を受け、専門医の治療を受けることをお勧めします。
そしてさらに、患者さん自身のセルフケアの努力も不可欠です。特に、インプラントが失った歯と同じ運命をたどらないよう、ブラッシング、生活習慣の是正、ナイトガードの使用、など約束事項は守り、定期検診(メインテナンス)を忘れないようにして下さい。
約束が守れず、同じ失敗を繰り返すようであれば、その方はインプラント治療に適さないでしょう。
医療サイド、患者さんサイドのどちらか一方だけが努力したのでは、良い結果は生まれません。

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